歯周病のセルフチェック
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
3つの項目があてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
6つの項目があてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
全ての項目があてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
歯周病ってどんな病気?(原因・進行過程)
歯周病(歯槽膿漏)ってどんな病気?
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、
そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
歯周病の原因
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。
これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢(プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。 その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
歯周病とは、この歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症をひき起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく病気のことで、結果的に歯を失う原因となります。
歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。 これはブラッシングだけでは取り除くことができません。
この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
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● 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
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● 不適合な冠や義歯
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● 不規則な食習慣
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● 喫煙
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● ストレス
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● 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
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● 薬の長期服用
歯周病の進行過程
健康な歯肉
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● 薄いピンク色の歯肉。
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● 歯と歯の間に歯肉が入り込んで弾力がある。
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● 歯肉が引き締まっている。
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● ブラッシングでは出血しない。
歯肉炎
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● 赤色の歯肉。
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● 歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。
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● ブラッシングで出血する。
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● 腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。
歯周炎
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● 赤紫色歯肉。
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● 歯と接している歯肉が更に腫れる。
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● ブラッシングで出血や膿がでる。
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● 歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。
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● 歯肉が退縮して歯が長く見える。
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● 歯周ポケットが深くなり骨(歯槽骨)が溶ける。
現在では歯周病は、予防でき治療も可能です。
大切なのは予防、診断、治療、そしてメンテナンスです。
歯周病も、現在では進行を阻止することが可能となり、健康をとりもどすことができるのです。
まず、歯周病の原因は歯垢ですから、それをためない、増やさないことが基本です。
そのためには・・・
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1 正しい歯ブラシの方法で毎日実行することです。
歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておく事が何より大切なことです。 -
2 歯肉の中まで入っている歯石を完全に取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去することです。
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3 傷んだ歯肉、骨を治療して健康に近い歯肉にすることです。
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4 健康の保持のため歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメインテナンスを定期的に受けることです。
歯周病の恐ろしい点は、初期・中期には痛みをあまり感じることがなく症状がどんどん進むことです。 痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、それまではほとんど自覚症状ありません。 これがこの病気の最大の特徴で、また一番恐いところです。
歯周病の治療方法
歯周病の概要
歯周病は、おもに歯肉が歯に接する付近に存在する歯垢中の細菌が原因で進行します。
歯周病はその進行の程度により、いくつかの治療が適応されます。基本治療
歯周病の進行の程度にかかわらず、初めに行われるべき治療が歯周基本治療です。
原因である歯垢の除去および歯石の除去、歯の根の面の滑択化、ぐらぐらする歯の咬み合わせの調整などです。歯垢の除去をプラークコントロールといい、そのほとんどはご自宅でのセルフチェックとなります。
場合によっては、歯科医院で器械的に行うこともあります。
スケーリングは歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取除く事です。
ルートプレーニングは歯の表面がざらざらしたり、歯石で満たされていたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去する方法で、多くの場合スケーリングと同時に行われます。
また、歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。維持されればメインテナンス(定期検診)に移行します。
外科治療
基本治療で一部ポケットの深さが改善されず、ポケット内で細菌が生息し、ブラッシングで除去できない状態や、歯周病の進行が進んでしまった状態に対して外科的にポケットの深さを減少させる手術があります。また、特殊な材料を用いて部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。
ブラッシング
ブラシの毛先があたっていなければ、プラークはとれません。
自分では磨いているつもりなのに磨けていない人のほとんどが、磨きたい所に毛先をあてられない人なのです。
歯のメインテナンスの概要
メインテナンスとは歯周病を再発させず、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。 治療が終了した後は、3~6ヶ月ごと歯周病の進行によって受診をお勧めします。
歯周病は細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞(歯垢の蓄積)し、歯周病が再発します。したがって、この細菌の停滞(歯垢の蓄積)を除去し続けることで歯周病の再発を予防することができ、お口の健康を維持することができます。
細菌の集団である歯垢(プラーク)は、毎日の適切なブラッシングでほとんど除去することが出来ます。 しかし深い歯周ポケットの中や歯並びの悪い所にある細菌はブラッシングでは除去できません。
これらは歯科医院にて専門的なクリーニング(PMTCといいます)を行なうことによって除去することができます。歯周病は再発の多い病気といわれています。治療により症状が改善したとしても、そこは一度歯周病に侵されたところです。 治ったとしても溶けてしまった骨が完全に元通りに戻るわけではなく、ほとんどが歯と歯肉がそっと寄り添うような形で治っているのにすぎません。 油断は禁物なのです。
ブラッシングが不十分であったり、メインテナンスを怠ると細菌が活動しはじめ歯周ポケットが深くなります。そして容易に再発をおこします。
また残念ながら治療に限界があるため、部分的に治りきらないところが残ることもあります。
しかしそのような部位でもメインテナンスを継続することにより、歯周病の進行を食い止めることができます。メンテナンスはどのようなことをするのでしょうか?歯のメンテナンス
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1 歯周精密検査・歯周ポケットの測定・動揺度の検査
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2 ブラッシングの再確認
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3 咬み合わせのチェック
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4 歯のクリーニング
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5 フッ素塗布など
欧米では歯周病を「静かなる疾患」と呼びます。
これは患者さん自身が再発や進行を自覚することは困難であると言う事です。したがって歯を失わないためにもトラブルを感じなくとも定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることが必要なのです。
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